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同期ゲージ(synchronous gauge)は解析表式が簡単化するためよく使われるも
のであるが,同時にゲージモードが紛れ込みやすいことでも知られている.こ
のゲージは次の線素で定義される.
![$\displaystyle ds^2 = a^2(\tau) \left[-d\tau^2 + \left(\gamma_{ij} + h_{ij}\right) dx^i dx^j\right]$](img3249.png) |
(J.5.178) |
このゲージでは隣り合った時間一定面の時間座標の間隔がその面に垂直方向に
計ったプロパーな時間に一致する.そしてまた空間座標が一定の線は時間一定
面に垂直となるように取ってある.通常,同期ゲージにおいては,計量の摂動
をトレース部
とゼロトレース部
に分解する
ことが多い.スカラー成分について,この分解は次のようになる:
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(J.5.179) |
すなわち,上の一般論において,
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(J.5.180) |
とおいたものとなっている.このゲージ条件は実は座標を一意的に定めない.
すなわち,まだゲージ自由度が残っているのである.これを見るには,計量が
と
で表されるある与えられた座標からゲージ変換
(10.3.56)-(10.3.59) により
と
を消す
ための条件
,
を考える.この条件を解けば,
のように積分定数
,
が含まれて,その分だけ同期ゲージには任意性
があることになる.この余計な自由度は運動方程式の段階で固定されていない
ので,初期条件により固定することになる.これを注意深く扱わないとゲージ
モードが紛れ込むことになる.
ゲージ不変量はこのゲージで,
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(J.5.183) |
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(J.5.184) |
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(J.5.185) |
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(J.5.186) |
と表されるので,運動方程式(10.4.157)-(10.4.158)は次の形にな
る:
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(J.5.187) |
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![$\displaystyle v' + \left(1 - 3 {c_s}^2\right){\cal H}v
= - \frac{{c_s}^2}{1+w} ...
...ta
- \frac{w}{1+w}
\left[\Gamma + \frac23 \left(\triangle + 3K\right)\Pi\right]$](img3272.png) |
(J.5.188) |
また,拘束の式(10.4.159)-(10.4.160)は
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![$\displaystyle (\triangle + 3K)
\left[h_{\rm L} - \triangle h_{\rm T}
- 3{\cal H...
...}'\right]
= -24\pi G a^2 \overline{\rho}
\left[\delta - 3(1+w) {\cal H}v\right]$](img3273.png) |
(J.5.189) |
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(J.5.190) |
となるが,この2つの式から
を消去する
と
に関する時間発展方程式
![$\displaystyle (\triangle + 3K) \left({h_{\rm T}}'' + {\cal H}{h_{\rm T}}'\right...
...\overline{\rho} \left[ \delta - 3(1+w){\cal H}v - 2w(\triangle + 3K)\Pi \right]$](img3276.png) |
(J.5.191) |
が得られる.さらにここで,式(10.4.152)を同期ゲージで書けば,
と
を結び付ける次のシンプルな関係が得られる:
 |
(J.5.192) |
そこでこれを用いて式(10.5.192)の
を消去すれば,
についての時間発展方程式
![$\displaystyle {h_{\rm L}}'' + {\cal H}{h_{\rm L}}' = - 8\pi G a^2 \overline{\rho} \left[ \left(1 + 3{c_s}^2\right) \delta + 3 w \Gamma \right]$](img3278.png) |
(J.5.193) |
が得られる.式(10.5.188), (10.5.189), (10.5.194)
は変数
,
,
について方程式が閉じている.その解を用
いれば,式(10.5.193)あるいは式(10.5.192)により
も求まることになる.この連立微分方程式は,時間について事実上4階と
なっている.すなわち,初期条件が4つ必要である.そのうち2つはこれまで
の考察からわかるようにゲージ自由度を固定するために必要なものである.
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