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カウントインセル
離散的な天体分布において、ある体積
の中にある天体の数の統計を考える。
この任意に定めた体積をセルと呼ぶ。このようなセル中の天体数の分布の解析
はカウントインセル(count-in-cells)と呼ばれる。どのような形の体積
を考えるかは任意であるが、セル中に入っている天体は重みなしで数えること
にすると、これはちょうど体積内のみ一定値をとるようなウィンドウ関数で表
すことができる。このウィンドウ関数を
 |
(O.4.85) |
と表すことにしよう。
空間を微小体積
に分割してその中の天体の数を
とする。こ
のとき、原点においたセル中の天体の数
は、これは上のウィンドウ関数を
用いて
 |
(O.4.86) |
となる。空間全体の数密度を
とすると、このカウント
の平均は
である。この数のゆらぎ
 |
(O.4.87) |
は離散的な値をとる。このゆらぎは式(15.2.44)で与えられる微小体
積中の個数のゆらぎ
を用いて、
 |
(O.4.88) |
と書ける。ここで、最後の式では、式(15.3.70)を用いている。
さて、こうして得られるカウントインセルの統計について、モーメント母関数
が基本的な量である。上で述べたように、モーメント母関数は統計的性質を完
全に指定し、カウントインセルにより考えられる統計量はすべてこの母関数に
帰着させられるからである。式(15.4.88)により、ある一点におけるカ
ウントのゆらぎ
のモーメント母関数は
![$\displaystyle M(J) = \left\langle e^{-J \delta_N} \right\rangle = Z_{\rm g}[J W_V(-{\mbox{\boldmath$x$}})]$](img4570.png) |
(O.4.89) |
となることがわかる。すると、式(15.4.85)のようにセルの中で一定値
をとるというウィンドウ関数の性質を使えば、離散分布の母汎関数の表式
(15.3.75)により、
![$\displaystyle M(J) = e^J \left\langle \exp\left[\left(e^{-J/\bar{N}}-1\right) V...
...d^3x W_V(-{\mbox{\boldmath$x$}}) n({\mbox{\boldmath$x$}}) \right] \right\rangle$](img4571.png) |
(O.4.90) |
となる。ここでさらにキュムラント展開定理を適用すると、
![$\displaystyle M(J) = e^J \exp\left[\bar{N} \left(e^{-J/\bar{N}} - 1\right) + \s...
...\right)^k \left(e^{-J/\bar{N}} - 1\right)^k}{k!} \overline{\xi}^{(k)}_V \right]$](img4572.png) |
(O.4.91) |
となる。ここで、
 |
(O.4.92) |
であり、また
の場合
の
次のキュムラントは
の
次のキュムラントの
倍であることを用い
ている。
カウントのゆらぎのキュムラントは
となる。これは式(15.4.91)の対数を微分することにより、密度場の相
関関数で表すことができる。もちろん、式(15.2.46),
(15.2.47)のような式を積分することによっても同じ式が導ける。最初
のいくつかは
 |
 |
 |
(O.4.94) |
 |
 |
 |
(O.4.95) |
 |
 |
 |
(O.4.96) |
などとなる。
セル中のカウントが
となる確率を
とすると、このカウントの確率分布
そのものを与えるような母関数
 |
(O.4.97) |
を考えることもある。このとき、カウントの確率分布は
 |
(O.4.98) |
で与えられる。このカウントの母関数は上で求めた
の母関数により
次のように求められる:
これを使えば、カウント
のモーメントは
 |
(O.4.100) |
と表せて、さらにキュムラントは
 |
(O.4.101) |
となる。
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