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連続場のキュムラント母汎関数
変数が連続場であって,無限個ある場合にも上と同様に考察できる.変数の自
由度が連続無限大となるため,母関数ではなく母汎関数を考えることになる.
モーメント母汎関数は次のように定義される.
汎関数とは,関数の関数のことで,一つの関数が与えられたときに,対応する
数が与えられるようなものである.上の例では,関数
が与えられたとき
に一つの数
が定まる.すなわち,関数から数への写像である.一般に,
関数
の汎関数は
のようにあらわす.連続変数
を離散的な点の
集合
と近似的に考えれば,離散的な変数
の多変数関数
で表される.汎関数はこのような
有限自由度の多変数関数において,自由度無限大の極限を取って
を連続変
数にする,すなわち連続極限を取ったものと考えられる.
モーメントはこの母汎関数の微分を取れば良いが,連続無限自由度をもつ変数
による微分は通常の微分を拡張したものであり,汎関数微分というものとなる.
これは,連続場
のある一点
における値を変化させたときの汎関数
の変化率のことである.具体的には,ある変分
における汎関数
の変化を
![$\displaystyle \delta F[f] = F[f+\delta f] - F[f] = \int dx \frac{\delta F}{\delta f(x)} \delta f(x)$](img4515.png) |
(O.3.62) |
と表したときの
を汎関数微分の定義とする.汎関数と
して,特に
の点の値のみを返す
というものを考えて上の
定義に代入することにより,容易に
 |
(O.3.63) |
という性質があることが示される.ここで右辺はデルタ関数である.上で述べ
たように汎関数は多変数関数の連続極限と考えられるが,これに対応して,汎
関数微分は偏微分の連続極限と考えられる.したがって,自由度が連続である
ことを別にすれば,通常の偏微分のように微分の連鎖則などが成り立つ.ただ
し,偏微分の場合には全自由度に対して和をとるようなところは汎関数微分の
場合には積分になる.
この汎関数微分を用いることにより,モーメントの表式は
 |
(O.3.64) |
であることがわかる.また,式(15.3.48)において,
とおけば,
![$\displaystyle \ln Z[J] = \sum_{N=1}^\infty \frac{(-1)^N}{N!} \int dx_1\cdots dx...
..._1) \cdots J(x_N) \left\langle \phi(x_1) \cdots \phi(x_N) \right\rangle_{\rm c}$](img4522.png) |
(O.3.65) |
となるので,
 |
(O.3.66) |
である.
上では,連続場の空間が1次元のように書いてあるが,もちろん,3次元空間
中の連続場などでも,同様である.宇宙論においては,密度ゆらぎ
の統計が扱われるが,これは3次元空間中の連続場である.
に注意すると,密度ゆらぎの場のキュムラント展開定理は次
の式で表される:
ここで,
 |
(O.3.69) |
は密度ゆらぎの場の
点相関関数である.
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