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粒子が重力のみの影響を受けて運動する場合,その軌跡は測地線の方程式
(B.2.83)に従う:
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(I.2.18) |
ここで,
 |
(I.2.19) |
は4元運動量である.また,
はアフィンパラメータであるが,粒子に
質量がある場合は粒子に沿った固有時間を質量で割ったものとなる.いま,電
磁場など他の力は粒子に働いていないものとする.
このとき,8次元位相空間の不変体積要素
 |
(I.2.20) |
が粒子の測地線に沿って不変となることを示そう.式(9.2.18),
(9.2.19)により,アフィンパラメータ
が
だ
け変化するとき,粒子の位相空間中での座標は
と変化する.すると,不変体積要素
の変化は
 |
(I.2.23) |
となる.ここで,体積要素
の変化はヤコビアン
がわかれば計算
されるが,それは
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(I.2.24) |
となる.ここで,接続を計量で表し,さらに,行列式の微分の
式(B.2.42)を用いると,
 |
(I.2.25) |
であることがわかる.したがって,結局式(9.2.23)は
![$\displaystyle \delta(d{\mit\Omega}) = -g \left[(J - 1) + \frac{\delta g}{g}\right]d^4xd^4P = 0$](img2527.png) |
(I.2.26) |
となる.これにより,8次元位相空間の不変体積要素は粒子の測地線に沿って
不変となることが証明された.
さて,位置についての不変体積
は,ある座標系における空間
方向の3次元不変体積
と,これに垂直な方向を向いた長さ
の時間的間
隔分との積
で与えられる.いま,ベクトル
を、粒子の世界線が
この微小体積中と交わる長さと同じ長さを持ち,粒子の世界線に沿った方向を
持つようなものとする.すると,長さ
はこのベクトルの
に垂直な方向
の成分となる.そこで,
を
に垂直な,時間的単位ベクトルとし,
また微小体積中での粒子のアフィンパラメータの幅を
とすると,
 |
(I.2.27) |
と表されることになる.この式に
をかけることにより,
 |
(I.2.28) |
となる.ここで,右辺は粒子に沿って一定である.事実,不変体積素片
が一定であることは上で証明した.また,粒子のエネルギーの
符合が変化することはない.また,運動に際して
は常に
成り立っているので、
の中で粒子はこの関係を満たす断面にのみ存
在する.したがってその断面の体積は不変になる.また,
と
は独立であるから
,すなわち
は
運動に沿って一定である.したがって,粒子の運動に沿って取った次の量は一
定であることが証明されたことになる:
 |
(I.2.29) |
このことをリュービルの定理(Liouville theorem)という.
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