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任意の座標系に取られたある時刻の空間の微小体積
を横切る粒子のうち,
運動量が
の範囲にあるものの数を
とする.微小体積
中に
ある粒子4元流束は
 |
(I.2.30) |
となるが,粒子数
はこの4元流束の
方向の成分により与えられるの
で,
 |
(I.2.31) |
であることがわかる.すると,リュービルの定理から粒子の測地線に沿って
の
の変化は
となる.
粒子に重力以外の相互作用が働かない場合は微小体積
中の粒子の数
は粒子の測地線に沿って一定となる.このときには式(9.2.32)はゼロに
なり,したがって,次の相対論的なリュービル方程式(Liouville
equation)
 |
(I.2.33) |
が成り立つ.この方程式はブラソフ方程式(Vlasov equation)あるいは
無衝突ボルツマン方程式(Collisionless Boltzmann equation)とも呼ば
れる.ただしいま分布関数
にはすでに
を
に
ついて解いた関係
が代入されて
には陽に依存しないも
のと考えれば,上の式で
はゼロである.左辺の
に作用する演算子
 |
(I.2.34) |
をリュービル演算子(Liouville operator)と呼ぶ.この記法でリュービ
ル方程式は
と表される.
粒子に重力以外の相互作用がある場合は
が消えず,位相空間素片中で粒子
が出入りすることになる.粒子の運動に沿ってアフィンパラメータが
だけ変化する間の,
中の粒子数が変化を
![$\displaystyle dN = C[f]\cdot 2c\;(- n_\mu P^\mu) dV d{\mit\Pi}\delta\lambda$](img2553.png) |
(I.2.35) |
とおく.この場合には,次の相対論的なボルツマン方程式(Boltzmann
equation)が得られる:
![$\displaystyle P^\mu \frac{\partial f}{\partial x^\mu} - {\mit\Gamma}^\mu_{\nu\lambda} P^\nu P^\lambda \frac{\partial f}{\partial P^\mu} = C[f]$](img2554.png) |
(I.2.36) |
ここで,
は衝突項と呼ばれ,粒子の相互作用の詳細から決まる.リュー
ビル演算子を用いて簡略化すれば
と表される.
ここで、式(9.1.6)で与えられる粒子4元速度
,また式
(9.1.14)で与えられるエネルギー運動量テンソル
の発散に
関して,次の式が成り立つ.
| |
|
![$\displaystyle {N^\mu}_{;\mu} = 2c^2 \int d{\mit\Pi}L[f] = 2c^2 \int d{\mit\Pi}C[f]$](img2558.png) |
(I.2.37) |
| |
|
![$\displaystyle {T^{\mu\nu}}_{;\nu} =
2c^2 \int d{\mit\Pi}P^\mu L[f] = 2c^2 \int d{\mit\Pi}P^\mu C[f]$](img2559.png) |
(I.2.38) |
これらの式の後半部分はボルツマン方程式から明らかである.前半部分もあら
わに計算することによって示される.まず,式
 |
(I.2.39) |
を用いて最初の式を微分することにより,
| |
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| |
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(I.2.40) |
となる.ここでリュービル演算子の定義式(9.2.34)を代入してさらに
部分積分すると,
となる.ここで,エネルギーは正であるから
の符号は変化しないこと,
およびクリストッフェル記号の定義式から容易に示せる次の式
 |
(I.2.42) |
を用いた.式(9.2.41)を式(9.2.40)へ代入すれば式
(9.2.37)が示される.式(9.2.38)も同様の計算により示さ
れる.
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