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スピノル場の量子化の例としてディラック場の量子化をみてみよう。スカラー
場との大きな違いはスピノル場がフェルミ粒子を表すために古典場としてはグ
ラスマン数であり、量子化に際して交換関係ではなく反交換関係が課される。
これは経験的に知られているパウリの排他律を満たすためには必要な変更であ
る。ディラック場におけるラグランジアン(8.4.156)から共役運動量変
数を求めれば、
 |
(H.5.243) |
となり、
は実質的に
の共役運動量変数であることがわか
る。ここで、量子化を反交換関係
により行う。つま
り、次の同時刻反交換関係
| |
|
 |
(H.5.244) |
| |
|
![$\displaystyle \left[\psi_\alpha(t_0,{\mbox{\boldmath$x$}}),
\psi_\beta(t_0,{\mb...
...box{\boldmath$x$}}),
\psi^\dagger_\beta(t_0,{\mbox{\boldmath$y$}})\right]_+
= 0$](img1910.png) |
(H.5.245) |
を設定するH6。スピノル場の平面波展開は
となるから、生成消滅演算子については次の反交換関係
 |
(H.5.248) |
が課せられ、他の組合わせはすべて反交換する。基底状態はすべて
の
、
について
 |
(H.5.249) |
で定義される。さて、保存量について有限の真空期待値を得るためには正規順
序積をとることが必要であったが、フェルミ粒子の場合にはその定義に変更が
必要で、演算子の順序を交換するときにマイナスの符合をつけることになる。
例えば、
 |
(H.5.250) |
などとなる。つまり、あらゆる量は反交換するかのようにして生成演算子を消
滅演算子の前に持ってくるのである。すると、全4元運動量は
![$\displaystyle P^\mu = \hbar \int \frac{d^3k}{(2\pi)^3 2 k^0} k^\mu \sum_{s=\pm ...
...h$k$}}) + d_s^\dagger({\mbox{\boldmath$k$}}) d_s({\mbox{\boldmath$k$}}) \right]$](img1918.png) |
(H.5.251) |
また、(8.4.148)の保存荷
は
となる。ここでも、粒子と反粒子の対応が見て取れる。このディラック場が電
子の場を表すならば、2種類の粒子
-粒子と
-粒子は電子と陽電子に対応
する。
Footnotes
- ...
を設定するH6
- 本来は拘束系の正準形式から導かれるべきであるが、結
局は同じ結果になる。
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