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上で与えた量子化の手続きは他の場についてもほとんど同様であるので、以下
には要点のみ見ていこう。複素スカラー場の場合、実スカラー場にない特徴と
して保存荷を持っているという違いがある。複素場は2自由度を持つので、
とその複素共役
を独立な場として扱うことにすると、
それぞれの共役運動量は
 |
(H.5.234) |
となる。量子化は、
![$\displaystyle \left[\phi(t_0,{\mbox{\boldmath$x$}}), \pi(t_0,{\mbox{\boldmath$y...
...$y$}}) \right] = i\hbar \delta^3({\mbox{\boldmath$x$}} - {\mbox{\boldmath$y$}})$](img1896.png) |
(H.5.235) |
となる。ただし、他の同時刻交換関係はすべてゼロにおく。場の展開は
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![$\displaystyle \phi(x) = \int \frac{d^3k}{(2\pi)^3 2k^0}
\left[a({\mbox{\boldmath$k$}}) e^{ikx} +
b^\dagger({\mbox{\boldmath$k$}}) e^{-ikx} \right]$](img1897.png) |
(H.5.236) |
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![$\displaystyle \phi^\dagger(x) = \int \frac{d^3k}{(2\pi)^3 2k^0}
\left[b({\mbox{\boldmath$k$}}) e^{ikx} +
a^\dagger({\mbox{\boldmath$k$}}) e^{-ikx} \right]$](img1898.png) |
(H.5.237) |
であり、ここから生成消滅演算子の交換関係は
 |
(H.5.238) |
となり、他の組み合わせはすべて交換する。ここで、場の自由度が2であるこ
とに対応して2種類の生成消滅演算子がある。そこで基底状態
はすべ
ての
について
 |
(H.5.239) |
を満たすものと定義される。実スカラー場の場合と全く同様の議論により、正
規順序を考慮して全4元運動量は
![$\displaystyle P^\mu = \frac1{c} \int \frac{d^3k}{(2\pi)^3 2 k^0} k^\mu \left[ a...
...dmath$k$}}) + b^\dagger({\mbox{\boldmath$k$}}) b({\mbox{\boldmath$k$}}) \right]$](img1901.png) |
(H.5.240) |
となる。
次に式(8.4.120)のネーターカレントを考えよう。これは量子化された
場に対しては
 |
|
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(H.5.241) |
で与えられる。そこで、保存荷(8.4.121)を生成消滅演算子で表せば、
となる。ここからわかるように、2種類の生成消滅演算子で表される
-粒子
と
-粒子は保存荷について反対符合で寄与している。この符合の違いを別に
すれば全く同じ性質を持つ粒子に対応する。この性質は複素スカラー場の場合
のみでなく一般的な性質である。つまり、対称性に起因する保存荷を持った粒
子がある場合、一般的に質量やその他の性質は全く同一だが、保存荷だけが反
対符合となる反粒子が必ず存在するのである。
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