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連続的な密度ゆらぎとの関係
上のように観測的に得られる相関関数は理論的に計算される連続的な関数の密
度ゆらぎと結び付ける必要がある.この関係をみるため,空間を微小体積
に分割して,その中心の座標を
とし,この微小体積
の中にある銀河の数を
とする.体積の小さい極限をとると,中に入る銀
河の数は0か1のみになるので,
のみである.分布が統計的に一様
な場合,空間的に平均した数密度は一定で,
である.ここで,
番目と
番目の微小体積に同時に銀
河が入る確率
を考える.これは,式(15.1.4)により,
相関関数を用いて
![$\displaystyle \delta P_{ij} = \bar{n}^2 \delta V_i \delta V_j \left[1 + \xi_{\rm g}(r_{ij})\right]$](img4375.png) |
(O.1.8) |
と表される.ここで,
とした.この確率
は,積
が,両方に銀河が入るときのみ1でその他の場合は0 になるこ
とから,
 |
(O.1.9) |
とも表される.ここで,
,
は連続的な場である密度ゆらぎの値を離
散的に表現しているものとしよう.すなわち,場所
における微小
体積
の中に銀河が入る確率を
とするとき,
はその点での密度ゆらぎ
に比例すると
仮定する.これをポアソンモデル(Poisson model)という.背景にある
密度場を銀河などの天体がポアソン分布によって表現していると考えるわけで
ある.これはモデルであって,実際には密度場と銀河の数密度にはもっと複雑
な関係がある可能性もある.このような後者の場合,銀河分布がバイア
スされている(biased)といわれる.ここでは簡単のため,バイアスされてい
ない,単純なポアソンモデルを仮定することにする.この場合,質量密度と銀
河の数密度の比例係数を
とおくと,
, また,
となる.
ここで式(15.1.8)の平均は空間平均であるが,これを
,
が
統計的に揺らいでいると考えて,エルゴード仮説により,変数に対するアンサ
ンブル平均でおきかえてもよいと考える.エルゴード仮説では統計平均は体積
が無限に大きい極限での空間平均と同定されるが,実際の観測では無限に広い
空間を平均することはできない.そこで,さらに体積が十分大きければやはり
統計平均で置き換えてもよいという,より狭い仮定をしよう.これはフェ
アサンプル仮説(Fair sample hypothesis)と呼ばれる.すると,
が
与えられたときの
の統計平均は,
より,
となる.このとき,式
(15.1.8) の平均はこのような
,
の条件付き平均をさらに密
度の分布で統計平均を取ったものとなる.すると,
のときは,
 |
(O.1.10) |
となる.また,
のときは
より,
であるため,
 |
(O.1.11) |
となる.したがって式(15.1.8)はクロネッカーデルタ
 |
(O.1.12) |
を用いて,
![$\displaystyle \delta P_{ij} = \bar{n}^2 \delta V_i \delta V_j \left[ \frac{\lan...
... - \frac{\langle\rho_i \rho_j \rangle}{\bar{\rho}^2} \right)\delta_{ij} \right]$](img4392.png) |
(O.1.13) |
となる.ここで,
の極限をとるとき,
の中の第2項は第1項に比べて無視でき,またクロネッカーデルタは
の
ようにディラックのデルタ関数になる. こうして,式(15.1.8)より
となることがわかる.ここで,
は連続的な密度ゆらぎの相関関数であ
る.密度ゆらぎの相関関数は連続的な場の分布から求められるのに対し,銀河
の相関関数は離散的な点分布から求められるために,原点で特異なデルタ関数
がよけいにつけ加わることになる.このよけいな項はショットノイズ項
(shot-noise term)と呼ばれる.こうして,観測量である相関関数が純粋に理
論的に予言される量で書き表されたことになる.
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