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接続は時空の曲がりを記述するが,接続がゼロでなくても必ずしも時空が曲がっ
ているとは限らない.これは,一般座標を考えているので,採用する座標のと
り方によっては時空が平坦であっても接続が存在することがあるからである.
時空の真の曲がりは共変微分の非可換性により特徴づけることができる.すな
わち,任意のベクトル
に対して
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(B.2.88) |
で曲率テンソル
が
にかかわらずに定義でき,
これが時空の曲がりを表す.平坦な空間においては任意の慣性系でデカルト座
標をとることにより曲率テンソルの全ての成分がゼロになる.一般に全ての成
分がゼロであるテンソルは,どのように座標変換をしても常に全成分はゼロで
ある.したがってこの場合,曲率テンソルは平坦な空間でどう座標を張ろうが
全成分が消えてしまう.これを逆にいえば,曲率テンソルがゼロでない成分を
持つことは,時空が平坦でないことを意味する.式(B.2.88)を共変微分
の定義にもどって書き直すことにより,曲率テンソルは接続で書き表され,
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(B.2.89) |
となる.曲率テンソルには,その添字に対して,次のような対称性がある:
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(B.2.90) |
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(B.2.91) |
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(B.2.92) |
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(B.2.93) |
最後の式はビアンキ恒等式と呼ばれる.曲率テンソルを一回縮約し
たものをリッチテンソルと言う:
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(B.2.94) |
さらにもう一度縮約したものはスカラー曲率と言う:
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(B.2.95) |
曲率テンソルは長さの逆2乗の次元を持つ.従って,長さ
を越え
たスケールでは曲率の効果が顕著となってくる.逆にそれ以下のスケールでは
平坦な空間に近付いていく.
共変微分はスカラーに作用する場合以外一般に非可換で,その交換関係はベク
トルの場合,式(B.2.88)で与えられるが,高階のテンソルについては例
えば,
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(B.2.96) |
などのようになる.
リッチテンソルに含まれる情報はリーマンテンソルに含まれる情報よりも少な
い。リーマンテンソルのうち、リッチテンソルに含まれている情報を除いた成
分をワイルテンソルと呼び、次式で定義される:
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(B.2.97) |
ワイルテンソルは添字の入れ換えについてリーマンテンソルの満たす
(B.2.93)と同じ対称性を持ち、さらにリーマンテンソルからリッチテ
ンソルを導くような縮約は消える:
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(B.2.98) |
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