新聞紙を半分に折り続けると、計算上42回折ると厚みが月までの距離を超えてしまいますが、実際にそんな折り方はできません。折れば折るほど厚みが増しますが、折るということは一番上の紙と一番下の紙がつながっていますから、その厚みが紙の一辺の長さを超えた時点でそれ以上折れなくなってしまいます。新聞紙は実際には何回折れるのか、考えてみましょう。
新聞紙はほぼ厚さ0.1mm、縦550mm、横800mmの紙です。すると面積は440000cm2です。面積の平方根√(440000) = 660cmが平均の一辺の長さになります(相乗平均)。ここで新聞紙を一回折ると厚さが倍になり、面積が2分の1になります。 これを繰り返してn回折ると厚さは2n倍になり、面積が2-n倍になります。平均の一辺の長さは2-n/2倍になります。つまり厚さが0.1 x 2nmm、平均の一辺の長さは660 x 2-n/2mmになります。
ここで8回折った時点ではn=8として厚さ約26mm、一辺約41mmになりますから、9回めは折るというより丸める感じになります。そして10回めを折ろうとしても物理的に上の紙と下の紙がつながらなくなり、もう折れません。10回以上は物理的に無理ということがわかりますね。