宇宙論よくある質問

質問

物質によって比熱が異なるのはなぜでしょうか。

答え

熱というのは原子や分子ひとつひとつが個別に持っているエネルギーを足しあわせたものですから、物質の比熱は、その物質の原子や分子がひとつあたりどれくらいのエネルギーを持つことができるかということで決まります。その持つことのできるエネルギーが物質の状態によってさまざまに異なっているのです。気体の場合、どのような物質でも単位質量あたりに持つことのできる運動エネルギーは同じなのですが、分子の回転のエネルギーの違いが、比熱の違いを生みます。複雑な分子ほど回転エネルギーを多く持つことができ、比熱が大きくなります。液体や固体の場合には、原子・分子の運動だけでなく、それらの間に働く力にも熱エネルギーが蓄えられています。質量が同じなら、分子量の大きな物質ほど原子・分子の数が少ないためその間に働く力も全体として少なくなり、比熱が小さくなります。一般に、金属の（単位質量あたりの）比熱が小さいのはこのためです。また、結晶などの結合状態によっても比熱は異なってきます。