宇宙論ではビッグバン理論と重力理論によりこの質問に答えます。
宇宙の観測をすると、遠くの銀河は私達から遠ざかっていることがわかります が、これは宇宙が一様に膨張していることの証拠です。事実、宇宙の進化につ いての現在の見方では、「ビッグバン」による大爆発で宇宙が始まって以来、 宇宙は膨張し続けているのです。
また、重い物体は重力によりお互いに引きつけられることがわかっています。 この力は物質を局所的には収縮させます(例えば、ガスの雲が集まって星にな る)。大きなスケールでは、宇宙の膨張が銀河をお互いに引きはなそうとする 一方、重力はお互いをくっつけ合おうとするわけです。
そこで、「時間の終わり」は宇宙にどれくらいの質量があるかで決まります。 これは、宇宙の密度を、ある臨界密度と比べることで調べます。もし密度が臨 界密度よりも大きければ、いつか重力が膨張に打ち勝ってしまいます。膨張は 次第に遅くなり、ついには逆転して、宇宙が収縮を始めます。最終的にはビッ グクランチと呼ばれる大収縮(あるいは跳ね返り)で終ります。もし密度が臨 界密度よりも小さければ、宇宙は永遠に膨張し続け、重力が膨張に打ち勝つこ とはありません。宇宙の密度を測定することは、いま、最新の研究分野のひと つなのです。
また,最近は宇宙に「真空のエネルギー」が満ちあふれていることがわかって きました。この真空のエネルギーは宇宙の膨張をさらに速める作用があります。 この真空のエネルギーが十分あれば、宇宙はもはや収縮できず、永遠に膨張し 続けることになります。この場合、時間に終りはありません。盲目な恋をして いる恋人でさえなければ、始まりがあれば必ず終りが来るというのが常識的思 考というものですが、宇宙はまったく人智を越えた存在ですね。