「CMB非ガウス性の幾何学的解析」

精密宇宙論の時代になり、初期宇宙モデルやストリング理論などの検証を観測的
宇宙論によって行う可能性が見えてきた。
特に最近では宇宙の原始非ガウス性を用いてこれを行う可能性がさかんに調べられている。
非ガウス性の検出のためには高次相関を求めることが一般的だが、次数が増える
とその直接的な解析はかなり複雑化する。

そこで我々はCMBゆらぎから直接高次相関を求める代わりに、ゆらぎの幾何学的パター
ンの統計的性質を用いて、もっとシンプルに扱う方法を開発している。
ここで解析的に導かれた公式が極めて有用であり、それによると、3点相関を超
える情報も比較的簡単に得られることが判明した。
今回はこのことに関する最近の研究結果を話す。