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プレゼンテーション用の図版

筆者の作成した以下の図版は出所を正しく引用する限りにおいてプレゼンテーションなどに自由に使ってよい。
図をクリックすると高解像度のファイルが得られる。
[Expanations in English]

線形理論により求めた赤方偏移空間の2点相関関数の値をカラースケール図で表したもの。外側のリングが約110 Mpc/hのバリオン音響振動スケールに対応する。このリングが宇宙のダークエネルギーを測定するための「標準ものさし」の役割を果たす。視線方向は上向き。

Ref.) T. Matsubara, ApJ, 615, 573 (2004)

(蛇足) "Baryon Acoustic Oscillations", "BAO" の日本語は「バリオン音響振動」である。これは筆者が考案した訳語であり、2005年の東北大学における研究会で最初に用いた(2006年Google検索)。研究会の前にいくつも訳語の候補を考え、深みのある響きを持つこの用語にした。バリオンはバリトン、バイオリン、(ストラディ・)バリウス、など音楽を連想させる言葉と響きが似ている。「バリオン振動」とか「バリオン弾性振動」、「バリオン音波振動」など(味気ない)用語が使われたこともあったが、最近では「バリオン音響振動」にほぼ統一された。


筆者の参加したSloan Digital Sky Surveyプロジェクト (SDSS, http://www.sdss.org)により得られた銀河の大規模な3次元分布。SDSSによる銀河の位置データを、国立天文台の4D2Uプロジェクト (http://4d2u.nao.ac.jp) により開発されたソフトウェアMitakaを用いて可視化したもの。

クレジット:Mitaka: 2005 加藤恒彦,ARC and SDSS, 4D2U Project, NAOJ, 松原隆彦




最初の3つはCMBゆらぎの等温度線。最後は境目の温度を徐々に変化させて高温領域をムービーで表した。WMAP7の温度ゆらぎの画像(http://lambda.gsfc.nasa.gov/product/map/current/)から作ったもの。等温度線の幾何学的形状を統計的に処理することで宇宙論的情報が得られる。特に、ミンコフスキー汎関数という量を用いて初期ゆらぎの原始非ガウス性を検出することができ、インフレーションなどの初期宇宙モデルに制限を与えることができる。

WMAP元画像 Credit: WMAP Science Team, NASA

Related papers: T. Matsubara, PRD in press (2010);
C. Hikage et al., MNRAS, 398, 2188 (2009);
C. Hikage et al., MNRAS, 389, 1439 (2008);
C. Hikage, E. Komatsu and T. Matsubara, ApJ, 653, 11 (2006);
T. Matsubara, ApJ, 584, 1 (2003)



宇宙の各成分に対する密度ゆらぎの時間発展。上:放射優勢期にハッブル半径内に入る波長のゆらぎ。中:放射と物質の等密度時付近にハッブル半径内に入る波長のゆらぎ。下:物質優勢期にハッブル半径内に入るゆらぎ。凡例の上から順番にそれぞれ、ポテンシャル、ニュートリノ、光子、バリオン、コールドダークマターのゆらぎを表す(密度ゆらぎは同期ゲージに対応)。相対的なゆらぎの大きさをスケール因子の関数として表している。計算はA. Lewis氏によるCAMBコード(http://camb.info)を改変して用いた。コード改変作業では市來淨與氏に助けていただいた。

2010年の国立天文台におけるWinter Schoolのために作成。

フーリエ位相の役割を表す図。左の画像パターンのフーリエ係数の位相をランダム化して振幅を保持したものが中央の図。形の情報がなくなってしまうことが分かる。これに対してフーリエ係数の位相を保持して振幅を一定にしたものが右の図。形の情報が保持されていることがわかる。このプレゼンテーションの元のアイディアはA. Szalay氏とP. Coles氏による。

Related papers:
T. Matsubara, ApJS, 170, 1 (2007);
T. Matsubara, ApJL, 591, L79-L82 (2003)


数値シミュレーションによって計算した、宇宙大規模構造の密度が一定値をとる面(等密度面)を3次元的に表したもの。この面からジーナス統計あるいはミンコフスキー汎関数などの統計的指標を計算することにより宇宙論モデルを制限できる。

Related paper:
Matsubara & Suto, ApJ, 460, 51 (1996)


Takahiko Matsubara
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