宇宙の膨張

• 1912-1925 V. M. Slipher

  銀河のスペクトルはほとんど赤方偏移をしている．青方偏移をするものは ごくわずか．

• 1929 E. Hubble

  銀河の遠ざかるスピード $\propto$ 距離

  ハッブルの法則：

  $$v = H_0 r$$ (A.6.4)

  
  

  $H_0$ : ハッブル定数 (Hubble's constant)．現在の見積もりでは，

  $$H_0 = 70 {\rm km/s/Mpc} \pm 10\%$$ (A.6.5)

  
  
  ハッブル定数の不定性を$h$ によりあらわす：

  $$H_0 = 100 h {\rm km/s/Mpc}$$ (A.6.6)

  
  
  このとき， $h =0.7 \pm 10\%$ . ちなみにハッブルが最初得た見積もりは $H_0 \sim 530 {\rm km/s/Mpc}$ という大きなものだった．

  式(1.6.4)が過去にもおおざっぱに成り立っていれば，宇宙は過去のあ る一点から膨張してきたことになる．そうだとすると，宇宙の年齢はおおざっ ぱに $r/v = {H_0}^{-1}$ である．これをハッブル時間 (Hubble time) という：

  $${H_0}^{-1} = 9.78 \times 10^9 h^{-1} {\rm yr} = 9.78 h^{-1} {\rm Gyr}$$ (A.6.7)

  
  
  また，ハッブル時間あたりに光の進める範囲 $c{H_0}^{-1}$ は現在の宇宙が因 果関係を持てる範囲をおおっざっぱに表し，これをハッブル距離 (Hubble distance) あるいは ハッブル半径 (Hubble radius)という：

  $$c {H_0}^{-1} = 2998 {\hbox {$h^{-1}$}{\rm Mpc}}$$ (A.6.8)