ジーナス統計を用いた宇宙の大構造の定量化

Authors:
松原 隆彦
Journal:
日本物理学会誌 to be published.
Abstract:
この20年来, 銀河を越えるスケールの驚くべき宇宙の大規模構造の存 在が次々と明らかにされつつある. その結果, 銀河団の存在, さらにはそれ以 上のスケールの大構造である超銀河団の存在がわかってきた. 超銀河団は単に 銀河団の集まっている孤立した領域ではない. フィラメント状あるいはシート 状に連なった, 複雑なトポロジーを持った構造なのである. このような構造を 定量的に調べるにあたって, これまで伝統的に用いられてきた統計量である2 点相関関数などは適切であるとは言いがたい. そこで比較的最近, 大規模構造 のトポロジーを直接定量化する方法として, ジーナス統計が提案された. ここ ではこの宇宙のゆらぎの新しい定量化の方法について解説し, 宇宙論的意義に ついて述べてみたい.

Takahiko Matsubara
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