ジーナス統計を用いた宇宙の大構造の定量化
- Authors:
- 松原 隆彦
- Journal:
- 日本物理学会誌 to be published.
- Abstract:
- この20年来, 銀河を越えるスケールの驚くべき宇宙の大規模構造の存
在が次々と明らかにされつつある. その結果, 銀河団の存在, さらにはそれ以
上のスケールの大構造である超銀河団の存在がわかってきた. 超銀河団は単に
銀河団の集まっている孤立した領域ではない. フィラメント状あるいはシート
状に連なった, 複雑なトポロジーを持った構造なのである. このような構造を
定量的に調べるにあたって, これまで伝統的に用いられてきた統計量である2
点相関関数などは適切であるとは言いがたい. そこで比較的最近, 大規模構造
のトポロジーを直接定量化する方法として, ジーナス統計が提案された. ここ
ではこの宇宙のゆらぎの新しい定量化の方法について解説し, 宇宙論的意義に
ついて述べてみたい.
Takahiko Matsubara
visitors,
pageviews since 2007.5.11