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宇宙のゆらぎと観測的宇宙論

大阪市立大学理学研究科 2007年度集中講義

近年の目覚しい宇宙観測技術の進展を背景として,宇宙論の理論的研究も大き く発展している.この結果,宇宙には未知の物質であるダークマターだけでな く,ダークエネルギーという未知のエネルギーが充満していることが示唆され るなど,驚くべきことが次々と明らかになっている.このような宇宙論の進展 の背景には,一様等方宇宙からのずれである宇宙のゆらぎの性質を詳しく観測 できるようになってきたことがある.本講義では,宇宙論の基礎から入り,宇 宙の密度ゆらぎの形成と発展,またその観測的検証法に関する理論を系統的に 紹介する.

連絡事項:

時間割(予定):

7/2(月):
13:00〜14:30, 14:40〜16:10, 16:20〜17:50
7/3(火):
10:40〜12:10, 13:00〜14:30(談話会), 14:40〜16:10, 16:20〜17:50
7/4(水):
10:40〜12:10, 13:00〜14:30, 14:40〜16:10

授業内容(予定):

以下の題材を予定。
- ロバートソン・ウォーカー計量のアインシュタイン方程式
- フリードマン方程式の解法
- 多成分系の場合
- 宇宙論パラメータ
- 宇宙の大局的ふるまい
- 赤方偏移と宇宙論的距離のまとめ
- 宇宙論パラメータの「古典的」決定法
- ロバートソン・ウォーカー計量における線形摂動
- ゲージ自由度とゲージ固定
- 線形アインシュタイン方程式
- 線形ボルツマン方程式
- インフレーション理論におけるゆらぎの生成
- 単成分近似におけるゆらぎの成長
- パワースペクトルと遷移関数
- 光子とバリオンの相互作用効果
- 宇宙背景放射ゆらぎ
- 銀河の空間分布
- 弱重力レンズ場

参考図書

1) 「宇宙論入門」
バーバラ・ライデン(牧野 伸義 訳、ピアソンエデュケーション)2003
2) 「場の古典論」
ランダウ,リフシッツ(恒藤敏彦,広重徹 訳、東京図書)
3) 「観測的宇宙論」
池内 了(東京大学出版会)
4) 「一般相対論的宇宙論」
成相秀一・冨田憲二 (裳華房,物理学選書19)
5) 「相対論的宇宙論」
小玉英雄 (丸善,パリティ物理学コース)
6) "Gravitation and Cosmology"
S. Weinberg (John Wiley and Sons, Inc.) 1972
7) "Cosmological Inflation and Large-Scale Structure"
A. R. Liddle, D. H. Lyth (Cambridge Unviersity Press) 2000
8) "Theoretical Astrophysics, Volume III: Galaxies and Cosmology"
T. Padmanabhan (Cambridge University Press) 2002
9) "Modern Cosmology"
S. Dodelson (Academic Press) 2003
10) "Physical Foundations of Cosmology"
V. Mukhanov (Cambridge Unviersity Press) 2005

Takahiko Matsubara
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