電磁気学特論
2009年度3年生後期水曜2時限目
Maxwell方程式をもとにして、真空中における電磁波の伝搬、放射、および
散乱に関する基礎事項を講義する。さらに特殊相対性理論および変分原理によ
る電磁場の記述を通して自然界に存在する対称性に触れ、物理学の底辺に横た
わる調和の世界を垣間見る。
連絡事項
講義ノートなど
講義内容
- 1. Maxwell方程式と電磁波
- 1.1 Maxwell方程式
- 1.2 電磁ポテンシャルとゲージ変換
- 1.3 真空中の電磁波
- 2. 電磁波の放射
- 2.1 遅延ポテンシャル
- 2.2 多重極放射
- 2.3 放射のスペクトル分布
- 2.4 チェレンコフ放射
- 2.5 運動する電荷による放射
- 2.6 シンクロトロン放射
- 3. 電磁波の散乱
- 3.1 トムソン散乱
- 3.2 束縛電荷による散乱
- 3.3 誘電体球による散乱
- 3.4 青空、夕焼け、エディントン限界
- 4. 電磁場と特殊相対性理論
- 4.1 相対性原理
- 4.2 共変形式のMaxwell方程式
- 5. 電磁場と変分原理
- 5.1 電磁場の作用積分
- 5.2 対称性と保存量
注)本講義では基本的にGauss単位系を用いるが、最初にSI単位系との間の
変換規則を与え、いつでもSI単位系の表式を得られるように配慮する。はじめ
からSI単位系を使わない理由は、本講義の内容をSI単位系で記述するといたる
所に無用な煩わしい因子が出てきてしまうからである。このため、この分野の
教科書も多くの場合Gauss単位系で書かれている。国際標準とされているSI単
位系は実用の面で便利に作られてはいるが、まさにそのために構成が恣意的で
あり、物理的にはGauss単位系などの方がより自然なのである(例えば、SIの
基本単位であるアンペアの定義を確認してみよ)。このため物理の分野ではSI
以外の単位系が用いられることも多いので、物理の学習者は他の単位系に慣れ
ておくことも必要である。
参考図書:
各回のメモ
- 第1回 (10/7)
- 配布:講義ノート4ページまで、80部印刷60部配布
- 第2回 (10/14)
- 配布:なし
- 第3回 (10/21)
- 配布:講義ノート6ページまで、70部印刷51部配布
- 第4回 (10/28)
- 配布:なし
- 第5回 (11/04)
- 配布:講義ノート8ページまで、60部印刷46部配布
- 第6回 (11/18)
- 配布:なし
- 第7回 (11/25)
- 配布:講義ノート10ページまで、50部印刷32部配布
- 第8回 (12/02)
- 配布:講義ノート補足(ベクトル公式)50部印刷38部配布
- 第9回 (12/09)
- 配布:講義ノート12ページまで、45部印刷39部配布
- 第10回 (12/16)
- 配布:講義ノート14ページまで、40部印刷39部配布、
レポート問題、70部印刷,38部配布
- 第11回 (1/13)
- 配布:講義ノート14ページまで、45部印刷部配布、
- 第12回 (1/20)
- 配布:講義ノート14ページまで、45部印刷部配布、
- 第12回 (1/27)
- 配布:講義ノート24ページまで、45部印刷部配布、
Takahiko Matsubara
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