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電磁気学特論

2007年度3年生後期水曜2時限目

Maxwell方程式をもとにして、真空中における電磁波の伝搬、放射、および散 乱に関する基礎事項を講義する。さらに特殊相対性理論および変分原理による 電磁場の記述を通して自然界に存在する対称性に触れ、物理学の底辺に横たわ る調和の世界を垣間見る。

連絡事項

講義ノートなど

講義ノート(最新版): [PDF] [PS (gz圧縮)]

講義内容

1. Maxwell方程式と電磁波
1.1 Maxwell方程式
1.2 電磁ポテンシャルとゲージ変換
1.3 真空中の電磁波
2. 電磁波の放射
2.1 遅延ポテンシャル
2.2 多重極放射
2.3 放射のスペクトル分布
2.4 チェレンコフ放射
2.5 運動する電荷による放射
2.6 シンクロトロン放射
3. 電磁波の散乱
3.1 トムソン散乱
3.2 束縛電荷による散乱
3.3 誘電体球による散乱
3.4 青空、夕焼け、エディントン限界
4. 電磁場と特殊相対性理論
4.1 相対性原理
4.2 共変形式のMaxwell方程式
5. 電磁場と変分原理
5.1 電磁場の作用積分
5.2 対称性と保存量

注)本講義では基本的にGauss単位系を用いるが、最初にSI単位系との間の 変換規則を与え、いつでもSI単位系の表式を得られるように配慮する。はじめ からSI単位系を使わない理由は、本講義の内容をSI単位系で記述するといたる 所に無用な煩わしい因子が出てきてしまうからである。このため、この分野の 教科書も多くの場合Gauss単位系で書かれている。国際標準とされているSI単 位系は実用の面で便利に作られてはいるが、まさにそのために構成が恣意的で あり、物理的にはGauss単位系などの方がより自然なのである(例えば、SIの 基本単位であるアンペアの定義を確認してみよ)。このため物理の分野ではSI 以外の単位系が用いられることも多いので、物理の学習者は他の単位系に慣れ ておくことも必要である。


参考図書:


Takahiko Matsubara
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