電磁気学III
2004年度3年生後期月曜2時限目
Maxwell方程式を基にして、真空中における電磁波の伝搬、放射、および散
乱に関する基礎事項を講義する。さらに特殊相対性理論による電磁場の記述、
および放射の量子論について初歩的な導入を行うことにより、物理学の底辺に
存在する調和の世界を垣間見る。
連絡事項
- レポート問題中、式(3)右辺の分母に c が抜けていました。
すみません。訂正して下さい。配布ノートの式(2.6),(2.50)も同様です。
- レポート問題配布中。
各自物理事務室にて受け取って下さい。
提出〆切は2/10。
- 12月27日 出張のため休講
- 講義ノートp9-p10を差し替えますので、
以前配った分は廃棄してください。
- 12月6日 教室講演会のため休み
- 11月22日 出張のため休講
- 10月4日 開講
講義ノートなど
授業内容(予定)
- 1. Maxwell方程式と電磁波
- 1.1 Maxwell方程式
- 1.2 電磁ポテンシャルとゲージ変換
- 1.3 真空中の電磁波
- 2. 電磁波の放射
- 2.1 遅延ポテンシャル
- 2.2 多重極放射
- 2.3 放射のスペクトル分布
- 2.4 チェレンコフ放射
- 2.5 運動する電荷による放射
- 3. 電磁波の散乱
- 3.1 トムソン散乱
- 3.2 束縛電荷による散乱
- 3.3 誘電体球による散乱
- 3.4 青空、夕焼け、エディントン限界
- 4. 電磁場と特殊相対性理論
- 4.1 相対性原理
- 4.2 共変形式のMaxwell方程式
- 4.3 相対論的力学
- 4.4 シンクロトロン放射
- 5. 電磁場と変分原理
- 5.1 電磁場の作用
- 5.2 対称性と保存量
- 6. 電磁場と量子論
- 6.1 電磁場の量子化という概念
- 6.2 カシミール効果
注)本講義では基本的にGauss単位系を用いるが、最初にSI単位系との間の
変換規則を与え、いつでもSI単位系の表式を得られるように配慮する。はじめ
からSI単位系を使わない理由は、本講義の内容をSI単位系で記述するといたる
所に無用な煩わしい因子が出てきてしまうからである。このため、この分野の
教科書も多くの場合Gauss単位系で書かれている。国際標準とされているSI単
位系は実用の面で便利に作られてはいるが、まさにそのために構成が恣意的で
あり、物理的にはGauss単位系などの方がより自然なのである(例えば、SIの
基本単位であるアンペアの定義を確認してみよ)。このため物理の分野ではSI
以外の単位系が用いられることも多いので、物理の学習者は他の単位系に慣れ
ておくことも必要である。
参考図書:
Takahiko Matsubara
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