宇宙物理学γ (宇宙論)
2006年度大学院後期金曜2時限目、理506
宇宙論は、この宇宙全体がどのようにはじまり、どのように進化するのか、そもそも宇宙とはなにものなのかを明らかにしようとする研究分野である。最近のめざましい観測の進展を背景として、宇宙論の研究は大きく発展している。本講義では宇宙論の最近のトピックのいくつかに焦点を当てて紹介する。「観測的宇宙論」の講義と相補的かつ進んだ内容が含まれるので、これをあらかじめ履修しておくことが強く望まれる。
本講義は、
名古屋大学オープンコースウェア「名大の授業」
にて公開されます。
連絡事項:
- 12月15日第2回レポート〆切
- 11月24日最終回
- 11月17日第1回レポート〆切
- 11月10日休講
- 11月3日休日
- 10月6日開講(全6回)。
授業内容(予定):
- 第1回:
- - ロバートソン・ウォーカー計量のアインシュタイン方程式
- - フリードマン方程式の解法
- - 多成分系の場合
- - 宇宙論パラメータ
- 第2回:
- - 宇宙の大局的ふるまい
- - 赤方偏移と宇宙論的距離のまとめ
- - 宇宙論パラメータの「古典的」決定法
- 第3回:
- - ロバートソン・ウォーカー計量における線形摂動
- - ゲージ自由度とゲージ固定
- - 線形アインシュタイン方程式
- 第4回:
- - 線形ボルツマン方程式
- - インフレーション理論におけるゆらぎの生成
- 第5回:
- - 単成分近似におけるゆらぎの成長
- - パワースペクトルと遷移関数
- - 光子とバリオンの相互作用効果
- 第6回:
- - 宇宙背景放射ゆらぎ
- - 宇宙の大規模構造
参考図書
- 1) 「宇宙論入門」
- バーバラ・ライデン(牧野 伸義 訳、ピアソンエデュケーション)2003
- 2) 「場の古典論」
- ランダウ,リフシッツ(恒藤敏彦,広重徹 訳、東京図書)
- 3) 「観測的宇宙論」
- 池内 了(東京大学出版会)
- 4) 「一般相対論的宇宙論」
- 成相秀一・冨田憲二 (裳華房,物理学選書19)
- 5) 「相対論的宇宙論」
- 小玉英雄 (丸善,パリティ物理学コース)
- 6) "Gravitation and Cosmology"
- S. Weinberg (John Wiley and Sons, Inc.) 1972
- 7) "Cosmological Inflation and Large-Scale Structure"
- A. R. Liddle, D. H. Lyth (Cambridge Unviersity Press) 2000
- 8) "Theoretical Astrophysics, Volume III: Galaxies and
Cosmology"
- T. Padmanabhan (Cambridge University Press) 2002
- 9) "Modern Cosmology"
- S. Dodelson (Academic Press) 2003
- 10) "Physical Foundations of Cosmology"
- V. Mukhanov (Cambridge Unviersity Press) 2005
Takahiko Matsubara
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