次へ: 相対論的に可能な場
上へ: 場の量子化と粒子の相互作用
前へ: 作用の原理
目次
索引
Subsections
ここまでラグランジアン形式で考えてきたが、これを正準形式へ移行すること
を考えよう。通常の有限自由度の力学系における正準形式への移行を連続場の
場合に拡張すればよい。まず、場
の共役運動量を
|
(H.2.38) |
で導入する。
および
を合わせて正準変数と呼ぶ。こ
の式から
を
,
, および
の関数として表し、ハミルトニアンを構成する:
|
(H.2.39) |
これは、正準変数の汎関数となっている。ここで、ハミルトニアン密度
を
|
(H.2.40) |
で定義すると、
|
(H.2.41) |
である。ここで、左辺では式(8.2.38)を使って
の関数として表してあるものとする。
このことに注意すると、オイラー・ラグランジュの方程式(8.1.8)と
式(8.2.39)により、正準方程式
が導かれる。
これら、正準方程式により、一般に正準変数
,
の任
意汎関数
の時間微分は、
|
(H.2.44) |
となる。ここで、正準変数の任意汎関数
,
についてのポアソン括
弧を次式で定義する:
|
(H.2.45) |
すると容易に、
|
(H.2.46) |
が導かれる。また、正準方程式(8.2.42), (8.2.43)は
|
(H.2.47) |
と表すことができる。同様に、式(8.2.44)は
|
(H.2.48) |
となる。
正準エネルギー運動量テンソルからつくられる保存量
は
|
(H.2.49) |
である。これを正準変数で書き表したとき、その時間成分は式
(8.2.39)で与えられるハミルトニアンと
の関係にある
ことがわかる。すると、式(8.2.48)を場の量
につい
て適用した式は、
|
(H.2.50) |
とかくことができる。理論が相対論的に不変であるならば、この式の一般化で
ある
|
(H.2.51) |
が成り立つはずである。実際、式(8.2.49)の空間成分
|
(H.2.52) |
により、ポアソン括弧を直接計算すれば、式(8.2.51)の空間成分を示
すことができる。この
として正準変数そのものをとると、
|
(H.2.53) |
となる。これが相対論的に一般化された正準方程式である。
次へ: 相対論的に可能な場
上へ: 場の量子化と粒子の相互作用
前へ: 作用の原理
目次
索引
All rights reserved © T.Matsubara 2004-2010
visitors, pageviews since 2007.5.11