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ゆらぎの準非線形摂動論


ゆらぎの摂動展開

ゆらぎの非線形性がまだ小さなうちは,摂動の高次補正として線形項に加えて 2次の項,3次の項と付け加えることにより解析することが可能である.これは, 密度ゆらぎ$ \delta$ が1を超えない領域では有効な方法である.また,ゆらぎ の非線形性がどのように発生しはじめるのかという問題を解析的に調べること ができる.

ゆらぎの非線形成長はホライズンよりも十分小さなスケールで起きるので,こ こではゆらぎの成長の式としてニュートン近似を用いる.膨張宇宙における, 非線形項を含んだ圧力の無視できる流体は,方程式(6.1.17), (6.1.18), (6.1.19)により,

    $\displaystyle \frac{\partial \delta}{\partial t}
+ \nabla\cdot\left[(1 + \delta){\mbox{\boldmath$u$}}\right] = 0$ (P.2.1)
    $\displaystyle \frac{\partial {\mbox{\boldmath$u$}}}{\partial t}
+ 2 \frac{\dot...
...\boldmath$\nabla$}}) {\mbox{\boldmath$u$}}
= - {\mbox{\boldmath$\nabla$}} \Phi$ (P.2.2)
    $\displaystyle \triangle \Phi
= 4 \pi G \bar{\varrho} \delta$ (P.2.3)

で記述される.ここで,ジーンズスケールよりも大きなスケールを考え,圧力 は無視できるものとしてここでは考えない.式(6.3.60)で導入したラプ ラシアンのグリーン関数 $ \triangle^{-1}$ を用いて,ポアソン方程式 (16.2.3) とオイラー方程式(16.2.2)からポテンシャルを消去 した形をつくると,

$\displaystyle \frac{\partial {\mbox{\boldmath$u$}}}{\partial t} + 2 H {\mbox{\b...
... + \frac32 H^2 {\mit\Omega}{\mbox{\boldmath$\nabla$}} \triangle^{-1} \delta = 0$ (P.2.4)

となる.

ここで,速度場の回転成分




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